サリンジャーのように
踊ることが出来なくなって
描くことも弾くことも困難になって
最後には言葉とゆう最も嫌いな文化しか残らなくなってから
他人との諍いを嫌い、皆が良くなる様にと世界平和をずっと夢に見て、わたしはきっと良い子だったのに、いつの間にやら自死という世界の終わりを望んでいる。
人間であることの憂鬱は、文化を否定されて始まってしまった。
16の頃にダンテを読んで「愛とは最も辛い事なのだ」とゆう刷り込みに真面目に反応してなお愛を享受してしまった。わたしは阿保だ。
本能など認められない。そんなものは本当に邪魔になってしまっていた。いつの間にかただの面倒事にしかならなくなった。
わたしは踊る為の身体が動かなくなって何をして良いのかわからない。その時から死がだんだんと近づくのを感じた。これが死というものと理解した。
割合と利口な子どもだったのだと思う。不都合を避けて日々を過ごしていた。素行が悪くても勉強はなんでも出来、走るのも速く、絵も上手く描けた。いじめにあうこともなかった。
この歳になって結婚してもそれは同じで何も変わっていない。
衝突を避けて本当を話すことをやめて仕舞えば平和だ。
自分の望む世界を捨て、夢も無くして、口を開くことをやめた。