読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ガーゼ

日々を泡沫にする為に

淋しさの空白

淋しそうな女の子を見つけて手を引いて「おいでよ」ってゆうんだ

 

何処か遠くの白っぽい光っている方からやってくる淋しさみたいなものは、いつまで経ってもわたしの所へは来ないよ。真夜中のベッドの中で眼を開けたまんまでいたって何処か遠くのお話みたいなんだ。子供の頃の夕方のとても長い時間もいつだってぼーっとしている間に終わってしまっていたから。真夜中の猫おばさんのビニール袋のガサゴソゆう音で起き上がる。身体はクタクタなのに猫たちの集まる方へ耳を澄ますんだ。そうしたならわたしはやっと眠りにつく事が出来た。嬉しくて、とても安心な気持ちだったよ。

悲しみが来そうな不安な真夜中にはそうゆう事を思い出して「へーきだ」って思います。近くに動物たちの気配を感じて緊張をほぐすの。甘ったれた猫の声を聴くの。そのうちに悲しみはどっかへ行ってしまう様な気がするんだ。

感情がこちらへ向かってくるとほんとに不安でたまらなくなる。今でも。上手いこと避けて泣かないで済む様になりたかった。あいつらの真っ直ぐな勢いはわたしにはこわいよ。わたしのにおいが全くしないねと言われた日、わたしには一体何のことなのかわからなくなってしまった。消毒されたシーツ、おなかの空いている感覚、外の気温、自身の体温さえもわからなくなってしまった。どうしてわたしは泣いているんだろうね。と。

あの頃の空白をぼーっとした頭で想像する。たったの一人でわたしはどうやって生きていたのだろう。「淋しい」と発音する女の子の手を引いて笑った顔をする。わたしにはわからない感情を沢山放つ女の子たちのすすり泣く声がとても好きなんだ。